いよいよ動き始める合併!
今、注目の的、瀬戸田町長に聞く

 平成17年3月の合併特例法期限切れまで残り3年余りとなった今、全国各地あらゆる地域で市町村の合併論議が繰り広げられています。我々の住む三原市、本郷町、久井町、瀬戸田町においても例外ではなく、合併に関するフォーラムや住民アンケートが実施され、ますます合併への関心度が高まってきています。
 広島県が提示した合併パターンで本郷町・久井町・三原市と枠組みを同じくする瀬戸田町で「合併に関するアンケート」が行われ、昨年12月末にその結果が公表されました。
 そこで、(社)三原青年会議所伊達護理事長は、柴田瀬戸田町長をお訪ねし、アンケート結果の検証、また、今後の合併に対するお考えを伺いました。

1.瀬戸田町民が主役のまちづくりを推進

理事長
 「しまなみ海道」が開通して3年が経過しました。瀬戸田町では、観光・産業面において3年前と比較してどのような変化がありましたか?また、この3年間の、政策と今後の将来像についてお聞かせ下さい。

柴田町長
 これまでは、前任者からの引継ぎの事業も含めて、「しまなみ海道」の開通をにらんで、観光.地としての様々な事業を行なってきました。しかし、現在は経済の硬直化のため新しく観光施設等を造る事は難しいと思います。また、観光だけでなく、「町民が住みやすいまち」を念頭に置いて色々な政策を行なってきています。地場の産業、例えば柑橘産業のサポートなども、ソフト面においてバランス良く行ってゆきたいと考えています。

2.合併を考える時期がきた

理事長
 昨年末、三原市では市長選挙において五藤新市長が選ばれました。五藤市長の公約にもありますが、今年はますます広域合併が重要なポイントになってくるのではないかと思います。瀬戸田町では、昨年末に住民に対して広域合併の意識アンケートが行われ、その結果41.6%の方が本郷町・久井町・三原市との合併を望むという結果が出たと聞いております。それを受けて町長としてはどのようなお考えをお持ちですか?

柴田町長
 任意の合併協議会が設立され、1市3町の皆さんと議論しながら明確になってゆく部分も多いと思いますが、瀬戸田町がどことの合併を望むかについては未決定ですので、この場で私の考えを述べる事は出来ません。ただ合併によって行政の効.率化をはかるだけでは、意味が無いとも思えますが、新しい時代は確実に来ていると感じていますので、遠からず「合併」をしなければならないと考えています。「新しいまちを何の為につくるのか?」「何を求めていくのか?」その結果、「住民にとって、どんなメリットがあるのか?」といった事についても煮詰めてゆく必要があるのではないかと思います。
 私が青春を過ごした昭和30年代は、向こう三軒両隣り、付き合いが深く、しっかりとした地域コミュニティが存在する時代でした。現在は地域の結束力も希薄化傾向になってきており、合併を機会に地域コミュニティについても再構築してゆく必要があると考えています。本年4月より、小・中学校に完全週5日制が導入されますが、そういった地域コミュニティは、教育面においても役割を果たす機会が増えてくる事が予想されます。ボランティアやNPO等も含めて、地域コミュニティについても考える必要がありそうです。

3.町民との対話を大切に

理事長
 私も合併は「まちづくり」の一つの手段だと思っています。この機会に「まちづくり」を改めて見直すチャンスとも捉えています。そこでは何をするのかが重要になってくると思いますが、行政と地域のパイプを構築し、住民の声を聞く政治を行なう必要があると思っています。

柴田町長
 町長室にこもってしまうと、住民の声を聞く機会が減ってしまいますので、昨年から住民の生の声を聞く機会を設けるようにしています。小さな町だからこそ出来る事なのかもしれませんが、町内会単位などで住民の皆さんと対話しながら、様々な意見に耳を傾けています。また、今年は町職員全員との対話も考えています。

4.まずは交流から

理事長
 素晴らしいお考えですね。住民、そして町職員の声を首長自ら聴いてゆく事は非常に大切な事だと思います。町長さんのお考えの中で、どこと合併をするのかは別にして、合併後はどのようなまちになったら良いとお考えですか?

柴田町長
 どこの町もそうだと思いますが、やはり地場産業の振興と住民への福祉が柱になってくるのではないかと思います。

理事長
 それでは将来、合併をするにあたって、実務として今、やるべき事は何でしょうか?

柴田町長
 まずは、交流を持つ事が大切だと思います。例えば現在、三原市と瀬戸田町の職員同士では、殆どつながりはありません。いきなり合併について「職員同士で対話してください」と言われても腹を割った話はしにくいのではないかと思います。まずはお互いの顔を知り、町を知り、考え方を聞くことから始めてゆかなければ良い結果は生まれないと思います。

理事長
 そこでは当然、住民同士の交流も必要になってきますね。住民一人ひとりが、まちづくりを行政まかせにするのではなく、自ら行動して、相手を知り、考えてゆかなければならないと思います。行政の効率化も大切な事ですが、まず「人」を第一に置いて進めてゆかないと良いまちはつくれないですね。
 本日のお話を参考に、我々もより良いまちを目指した次のアクションを起こしてゆきたいと思います。

自分たちの地域(まち)の将来を、自ら考え、議論を重ね、住民の声を合併問題に反映させることが大切です。住民参加・協働のまちづくりを行えるシステムの構築を目指して、今後も活動してまいります。


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