去る3月19日（火）地域主権実践委員会（平野裕輔委員長）は、三原国際ホテルにおいて「3･2･1･広域合併、秒読み開始！〜どうする？どうなる？未来のみはら」と題し、3月例会を開催致しました。
　広域合併の動きは、ますます活発化してきており、新聞に合併の文字が見当たらない日はないといっても過言ではありません。我々の地域においても、本郷町、瀬戸田町、久井町、三原市の一市三町で6月の任意協議会設立に向けて、慌しい動きになってきています。まさに今、我々の住む「まち」の未来を決定する大事な時期を迎えており、私達住民も現状を把握した上で、未来のまちづくりに向けてフレキシブルな行動を起こしてゆかなければならないのではないでしょうか。
　本例会では三原市長五藤康之氏、広島県地域振興部　市町村分権総室市町村合併推進室室長山本航三氏、「住民による合併を考える会」より勝村憲明氏をパネリストとしてお招きし、各立場から広域合併への取り組み方や現在の状況など、未来のまちづくりについてパネルディスカションを開催致しました。

伊達理事長
　県内では、各地域で任意協議会設立など広域合併が活発化していますが、それぞれの立場よりリアルタイムな状況をお聞かせください。

山本室長
　県では、合併のパターンを提示して、早い時期での取り組みを各地域の市町村長をはじめ、議員の方々に推進してきましたが、思いのほか早く県内全域で合併協議の場が立ち上がりつつあります。その理由としては、合併しないと各市町村において財政状況が非常に厳しくなってゆくこと、県知事が熱心に合併問題について取り組んで、全国でもトップクラスの支援対策をしているからだと思われます。三原周辺地域では本郷町、瀬戸田町、久井町、三原市との枠組みで6月に協議会を立ち上げられる予定と伺っております。県としては取り組みに対して、必要な職員の派遣、必要な情報の開示、検討に必要な資金などしっかりバックアップしてゆくつもりです。

五藤市長
　新聞でも発表しましたが、三原市は住民アンケート結果を集計しました。市民の皆様は、一市三町の合併に対して「望ましい」と「どちらかと言うと望ましい」を含めると約7割の方が賛成されています。合併問題への関心度は、約8割の方が関心があるという結果を得ました。三原市周辺地域の状況ですが、久井町と瀬戸田町の町長は、「一市三町で望む」と表明されており、住民アンケートの中間発表で、一市三町の合併に半数近い賛成者がおられた本郷町につきましても、4月の中旬から再度、町長が説明会を開き、夏までには決定する予定になっています。
　また、三原市の推進体制としては、昨年12月に設置した合併推進係を、4月1日付で合併推進課に移行し、議会と歩調を合わせながら6月の任意協議会設立に向けた展開をしてゆくつもりです。

勝村座長
　今後、任意協議会や法定合併協議会が立ち上がってゆくと思いますが、そこへ住民側が関心を持ち、積極的に参加意識を持たないと、人任せな合併になりがちで、この合併は成功したことにはならないと考えます。「住民による合併を考える会」の活動は、住民にとって非常に重要になってくると思っています。参加人数は少ないですが、行政に私たちの意見を反映していただけるよう活動してゆきます。

伊達理事長
　五藤市長は、選挙中「住民サービスの徹底を図る」「行政の意識改革が必要」とおっしゃっていましたが、まさに合併後の「まちづくり」にはこの2点が必要不可欠だと思います。現在三原市では、職員の意識改革のために、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか。

五藤市長.
　2月より部長クラスの管理職の研修を始めました。部長から係長・一般職員へと意識改革をすることにより、職員自らが積極的に「まちづくり」に取り組む姿勢を持って欲しいと考えて始めております。

伊達理事長
　「住民による合併を考える会」では、何が合併後のまちづくりに必要なキーワードだと議論されていますか。

勝村座長.
　ごみ処理問題を例に挙げてみると、ごみ処理の諸経費に一人当たり幾ら掛かっているのかを公開することで、この諸経費は自分たちの税金で賄っていると意識することが出来るのではないでしょうか。そこから、「分別の種類を増やして、自分たちで出来ることは自分たちで」などの意見が出てくると思います。（行政は）その他の事業にも情報公開をし、住民側は、その費用対効果を考える機会をつくることによって、初めて本当の顧客満足を感じ、責任を負うことで意識改革をしてレベルを上げることができます。（したがって）情報公開は合併後のまちづくりに必要なキーワードだと考えています。

伊達理事長
　「広報みはら」にも掲載されていましたが、合併についての住民説明会が開催されると聞いておりますが、開催要項と内容についてお聞かせください。

五藤市長
　小学校区を一単位として、19箇所で開催を予定しております。この説明会に、私自身もできるだけ出席し、住民の皆さんと対話をしてゆきたいと考えています。実際に開催してみないと分かりませんが、恐らく合併の説明会の後に身近なサービスに関しての質問もあると思います。折角の機会ですから、多くの住民の方にご参加いただき、合併以外の意見もお聞きしたいですね。

伊達理事長
　現在、私たちが気になっている任意の合併協議会へ、住民が参加した例が広島県であるのでしょうか。

山本室長
　任意の合併協議会は、合併に関する資料やデーターを集め、法定合併協議会で議論が始められるよう準備するものと位置づけています。法定合併協議会では、任意協議会で集められた資料やデーターを基に、「まち」のサービスやまちづくりについての論議してゆく場なのです。現在のところ広島県では、任意協議会に住民の方々が参画し検討された例はありません。しかし、法定合併協議会では、青年の代表、経済界の代表、女性の代表等、民間の方々もメンバーに入って論議されている協議会はあるようです。

伊達理事長
　広島県では、前例がないということですが、三原市では今後、任意協議会の中に住民の代表を入れるお考えはあるのでしょうか。

五藤市長
　私個人の考えでは、任意の合併協議会には一市三町で総勢30名以内の規模と思っており、構成は各市町の首長、議会の代表などをイメージしています。また、住民代表の方の参加については、三町の意見を聞いてみないとわかりませんが、一人でも入っていただけるよう、今後、協議してゆきます。

勝村座長
　私たちの思いとしては、是非、「住民による合併を考える会」を利用していただければと考えています。協議会に参加できなかったとしても、先ほど申しました情報公開をしていただきたいですね。公開できることと、できないことがあるとは思いますが、今何が議論されているのか、進捗状況などの情報に対して住民が意見を言えるシステムを作っていただければ有り難いですね。

伊達理事長
　最後に、合併という機会に、各分野が考えるまちづくりについての展望や青年会議所に期待することがありますか。

五藤市長
　合併問題で一番私の耳に入ってきますのは、三原青年会議所と「住民による合併を考える会」です。積極的に合併問題を考えていただいて、大変ありがたいと感じています。私たちからしてみれば、一番身近な住民の声であり、また行政が気付かない意見を持っておられ、大変期待をしています。行政側も、十分意見を聞いてゆく耳を持っておりますので、今まで同様に積極的に活動していただきたいと思います。
合併については、協議会の中で合併後のまちづくりについて、具体的な話し合いをしてゆき、一市三町全ての住民が後悔することなく、良かったと思える合併にしたいと思っております。

山本室長
　今回の合併問題がなければ、住民が地域の自治体の将来性、わがまちの行政について真剣に考えることがあったでしょうか。そういう意味では、今回の合併協議は、住民・行政にとって良い機会になるでしょう。
　今後は、地方分権の流れとして行政と住民はますます近くなってゆきます。行政側には意識改革が必要で、住民も意識改革をし責任を持ち行政をリードしてゆく側面も必要になってくると思います。同時に、今回の合併は5年10年先ではなく、20年30年先を考慮し、先を担ってゆく方々が声を出してゆくことが一番大事なことと言えるでしょう。
　また、県では来年度も合併問題活動に一地域50万円という助成金を用意しておりますので、ぜひ活用していただき、県内各地での合併議論を高めていただければと思っております。
　青年会議所の方々には、いままで同様に地域をリードしていただきたいですね。

勝村座長.
　合併はあくまでも目的ではなく手段であり、究極の目標は合併というこのチャンスに、新たな住民と行政との関係（システム）を開発してゆくことだと思います。お互いが目標に向かって、協働の関係を築き、役割を分担し、住みやすく自分のまちに誇りが持てるようなまちにしたいですね。
　自分たちの子どもに「我々の親父連中はなにもしなかったからこうなったんだ」などと言われないためにも今出来ることを精一杯頑張りたいですね。

伊達理事長
　そうですね。私たちは歴史を創る出演者として、今必要なことは何で、何ができて、何ができないのかを一人でも多くの住民の皆様と共に考えてゆきたいと思います。そして、勝村座長が言われた自分の子どもたちが夢を抱けるよう、（社）三原青年会議所は、20年30年先を睨んだ活動をしてまいります。本日はありがとうございました。


（社）三原青年会議所は、今後も住民の方々と共に「住民による合併を考える会」で合併後の「まちづくりビジョン」を模索してゆきます。また、住民の声が行政に反映できるよう、行政と住民が協働した市民会議システムについても調査・研究を行い、「元気なまち」を想定した、NO.1よりも「オンリーワンのまちづくり」を目指して活動してまいります。

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