行政評価制度導入によりどうする!? みはら

 2000年に地方分権一括法が施行され、全国的に地域のことは地域の住民一人ひとりが創造し、責任をとる地域主権型社会の構築が進んでいます。今後、地域主権型社会が進展してゆくにつれ、行政需要の多様化、流動化にともない、行政には迅速かつ的確な対応が求められてきます。財政状況の厳しさが増す中で、限られた財源と人員をいかに配分し、効率をあげてゆくことがますます重要になってきます。現在三原市では、行政評価制度導入を検討しておりますが、この行政評価制度とはどのような制度なのか、みはらにとって効果的な制度なのか、住民のかかわり方について検討してみました。

行政評価制度とは
行政評価制度は、市が行う政策・施策や事務事業について、予算や人材をどれだけ投入し、活動をどれだけ行い、結果として、市民に効果をどれだけもたらしたか、数値を利用しながら点検・評価し、その結果を公表するとともに改善・改革につなげてゆく手法及びその仕組みです。また、2001年6月に「行政機関が行う政策の評価に対する法律」(政策評価法)が公布、本年4月から政策評価制度が施行され、現在全国で57%の自治体が取り組みを行っています。

行政評価制度導入の必要性
 これまでの行政活動は、市民の行政需要に対して、総合計画をベースにした個別計画など、計画に重きを置いてきたと言えます。計画されたことは実施する(予算を確保、執行する)ものの、実施したことによる成果を市民の視点にたって検証・評価することについて、組織だって取り組む姿勢があまり見られませんでした。これからは、市民に対して、行政の説明責任(アカウンタビリティー)を徹底しながら、より質の高い行政サービスを効果的に提供することが重要になってきます。
 政策、施策、事務事業のあり方や市民の視点に立った「成果重視」の行政運営を進めてゆくこと、また、既存の制度を総合的に見直してゆくことが必要なのです。

先進自治体の取り組みは
行政評価制度導入を検討している各自治体では、実状にあった項目から取り組んでいます。
●組織改革を主目的として、民間経営手法を導入し、経営体制、管理システムを革新するもの
 (静岡県、東京都三鷹市、群馬県大田市など)
●事務改善を主目的として、行政使命や仕事の進め方を明確化し、仕事の簡素化や効率化、業務量管理を目的に行うもの
 (三重県、滋賀県長浜市など)
●計画体系を整理し、将来像の実現に向けて、戦略的に政策、施策、事務事業それぞれの効果測定を行うもの
 (神奈川県横須賀市、福岡県宗像市など)
●財政再建を主目的として徹底した削減を行うもの
 (岩手県、埼玉県草加市など)

期待される効果は?
1.市民の要望に的確に応える政策形成プロセスが構築できる
(評価による改革・改善点を計画し、成果を重視した行政活動ができる)
2.限りある行政財源(人的・財政資源)の最適配分ができる
(行政活動のベストプラクティス(※1)を追及することにより、効率化ができる)
3.市民に対する説明責任を果たし、行政の透明化が向上する
(行政活動の優先順位や存廃について、理由や問題点の公表ができる)
4.職員の意識改革や、能力開発が進む
(常に市民本位の目的を意識しながら、目的達成のための取り組みができる)
5.成果指標を「共通言語」として、政策論議が活発化する
(成果の公表、市民からの評価をもとにした話し合いができる)
6.市民と行政のパートナーシップのあり方を考えるようになる
(目的達成のため、両者の果たすべき役割を共に検討する素材となる)

※1 ベストプラクティスとは、業界内外の優れた業務のやり方、成功事例を学び導入するという業務改革の手法
(本記事は、行政評価制度に関するホームページ等を参考資料とさせていただきました。)

 以上が、一般的な行政評価制度の仕組みであり、導入することによって行政は、市民を顧客と捉え、市民が満足するシステムを構築することが必要です。協働のまちづくりを官民一体となって構築してゆくにはまず、行政が変革を意識し、どうすれば市民の意見が聞けるのか、市民の皆さんから意見を出しやすくするにはどうすれば良いのかを検討し、行動に移してゆかなければなりません。
 行政が行った事業を私たち市民が評価し、次の事業に活かし行政と市民が出来ることを話し合う。そうすると必然的に市民会議も必要不可欠となってくるのではないでしょうか。今後も(社)三原青年会議所では、行政評価制度を切り口とした、“協働のまちづくり”の重要性を紙面にて伝え、官民一体となって“魅力あるまち“みはら””となるべく活動してまいります。

トップへ